でかDS製作メモ【タッチパネル編】
そろそろ書かないと、8月が終わってしまう・・・
お待ちかね?、でかいDS製作記のタッチパネル編です。
画面表示に関しては【画面表示編】をご覧ください。
画面表示編では、「タッチパネル付きPCを購入し、内蔵マザーボードを廃棄、代わりに市販の自作用液晶コントローラーを取り付けて液晶モニター化する。」と言うことで、ニンテンドーDSから取り出した映像信号を液晶に表示するところまで説明しました(実際の写真とかは掲載していませんが・・・)。
タッチパネル編では、DS本体にタッチ信号を入力することで、外付けの液晶モニターで表示・操作の両方を行えるようにします。
まず、DS本体の構造のうち、タッチパネルと関係有る部分。
DSに内蔵されたタッチスクリーンに触れると、タッチパネルコントローラーICが電気的な変化を感知し、それをタッチ座標のデータへ変換して、シリアル通信でDSのメインチップへ届けられます(さらに間に別のチップが存在するかもしれませんが、概念としてはこれで充分です)。
内蔵タッチスクリーンとは違うタッチスクリーン(タッチパネル)を取り付けたい場合、
- 使用したいタッチスクリーンと、それに適合したタッチパネルコントローラを用意し、DSメインチップへシリアル信号として割り込ませる。
- DS内蔵のタッチスクリーンを除去し、用意したタッチスクリーンをDS側のタッチパネルコントローラへ直接接続する。
1番目の方法。
Jumbotron DSでは、ワコム製電磁誘導タブレット+専用コントローラの信号を変換していたり、NDS_LCDでは、パソコンのマウスクリックを、画面キャプチャ用のFPGA経由でDSへ入力させています。
この方法では、DS本体のタッチスクリーンを温存できますし、タッチパネルコントローラも使用するタッチスクリーン専用のものなので電気的にも安定すると思います。
ただ、DSにどのようなシリアル信号を入力すれば動作するのか、またその信号をどう用意すればよいのかなど敷居が高い。Jumbotron DSのページによると、DS内蔵のコントローラはバーブラウン(TI)のTSC2046らしいので、これのデータシート通りに実装すればよいのですが。
2番目の方法。
実は、DSに内蔵されている小型のタッチスクリーンでも、PCに使用するような10型超のタッチスクリーンでも、同じ「4線式抵抗膜方式」であれば、電気的特性(抵抗値)はほぼ同じなのです。
なので、DS内蔵のコントローラへ、用意したタッチスクリーンを直結してやれば、理屈の上では、何の問題もなく動作するのです。
まあ、全体的に手抜きだらけの電子工作ですので、当然ながらこちらの方法を採用しました・・・
接続するタッチスクリーンの選び方
画面表示編で「タッチパネル付き中古PCを流用」とか言ってるので、タッチスクリーンの選び方と言うよりは、中古PCの選び方です・・・
DS内蔵のコントローラへ直結して動くタッチスクリーンは「4線式抵抗膜方式」のみです。
本来、4線式用コントローラへ8線式タッチスクリーンを接続しても動作するはずなのですが、実際に試したところ誤動作となりました。TSC2046のアプリケーションノート(PDF)を見ても8線式は接続可能となっているのですが・・・DSのソフト内での閾値に満たないのでしょうか。
そのため、「4線式抵抗膜タッチパネル内蔵PC」に限って探すことになります。
まず、4線式抵抗膜にはどんなサイズがあるのでしょうか。
自作液晶専門店aitendoで探してみると、17型までは4線式、19型以上は5線式。17型は5:4サイズなのでDSには向かないため、15型が最大サイズです。8800円なり。
タッチパネルメーカーDMCのサイトを見ると、4線式は21.3型まで存在するようです。はたして、いくらぐらいするのだろうか。もちろん、こんな大型で4線式を採用したPCは市販されていません。
PCの内蔵タッチスクリーンが抵抗膜方式かどうかは、PCのスペック欄に普通書いてあります。
では、15型で抵抗膜方式のPCを買えば、大きなDSが作れるのかというと・・・無理かな。
aitendoでは15型でも4線式でしたが、どうやら普通のPCメーカーは15型液晶には5線式を組み合わせることが少なくないようで。分解するまで4線式か5線式かはわかりませんので、15型のPCは避けた方がよいでしょう。
サイズを10.4型まで小さくすると、5線式を採用したPCは、まず存在しなくなります。国内メーカーのPCだと8線式を使ってたりするので困りものなのですが、海外メーカーの10.4型PCは4線式と見て間違いないでしょう。
僕が使ったPCは、国内メーカーのものですが、国内メーカーのロゴが付いてるだけで実は台湾メーカー製だったので、無事に4線式でした。
「10.4型なんて小さい、もっと巨大なDSを製作したい!」と言う方は、中古PC流用などせずに、巨大抵抗膜を単体で購入するか、抵抗膜以外のタッチパネルをシリアル接続することをおすすめします。
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コメント
こんにちは
こちらの情報を参考に、でかDS作ってみました。
New NDS LL L
http://www.youtube.com/watch?v=Pvk1WB9oUwU&feature=player_detailpage
バックライトのノイズでタッチパネルが誤動作し、最終的にCCFLからLEDへ交換しました。
ありがとうございました。
投稿: kakiralime | 2011年5月 4日 (水) 18:49
kakiralimeさん、こんにちは。
コメント投稿ありがとうございます。
さっそく動画拝見させていただきました。
製作お疲れ様です。
あまりにもキレイにまとめられているので、
それと比べて、僕の常用できないDSが恥ずかしくて仕方有りません(笑)。
ブログには書き忘れた(動画にしか出てこない)のですが、バックライトのノイズ問題は確かに面倒でした。構成部品をすべてアースしても効果無し・・・結局インバーターを絶妙に遠ざけることで解決したのですが、LED化した方が確実ですね。
中古のデジタルRGB(TTL)パネルだと表示の黄ばみもあるかと思うので、LED化で発色のリフレッシュも出来て一石二鳥ですね。
投稿: mem96 | 2011年5月 4日 (水) 21:37