使っているノートPCで、CPUクロックが最低で固定されてしまい、負荷をかけてもクロックが上がらない不具合に遭遇したので覚え書き。
環境
- 機種
FUJITSU LIFEBOOK WS1/W (SH90/W相当)
- CPU
Intel 第6世代 Core i5 6200U (Skylake-U)
- OS
Windows 10 Home 1607 64bit
- 電源
ACアダプタ駆動
と書きましたが、おそらくIntelのEIST搭載CPU(つまり現役PCのほぼすべてが該当)であれば、Windowsのバージョンに関係なく、PCのメーカーに関係なく類似の現象が発生する可能性があります。
症状
CPUクロックが0.36GHz(タスクマネージャーでの表示)から上がらず、PCの動作が重くなった。再起動しても改善しなかった。
ACアダプタを取り外してバッテリー駆動させると、クロックが正常に上下するようになった。ACアダプタを再度取り付けてもクロックは正常に上下したが、再起動すると再びクロックが上がらなくなった。
ネットで調べてみた
「Windows10 CPUクロック 上がらない」で検索したところ、類似例が何件かヒットしました。
などなど要因は様々で、単一の原因ではなさそうです。
ですが、発熱か省電力関係の不具合ではありそうです。
- 発熱が原因の可能性→無さそう
最低クロックで動作しており、GPUもバランス設定で特に負荷を掛けていない。実際にCPUファンも停止か低速でしか動作しておらず、発熱が原因とは考えにくい。
- 電源が原因の可能性→わからん
試すの面倒だし、hpのスマートACアダプタみたいにインテリジェントな電源じゃないから後回しで。
- ソフト的な要因?
Windowsの電源オプション、BIOSにはそれらしい設定項目なし…
- 原因は「FUJITSU バッテリーユーティリティ ECO Sleep 低待機モード」だった
通常モードに戻したら正常にクロック上下するようになりました。
低待機モードはシャットダウン時の待機電力が小さくなるモードなのですが、設定の組み合わせによっては効果が出ないという中途半端な機能なので、使用せず通常モードにしてくのが正解です。
まとめ?
PCのメーカーや機種に関係なく、また原因にも関係なく、ACアダプタだと症状が出るけどバッテリーだと正常になるとか、その逆も考えられますので、とりあえずACアダプタを抜き差しして症状が変化するか確認されることをおすすめします。
2017/10/22追記 他機種でバッテリー駆動の事例
Twitterからの情報です。他メーカーのノートPCで、ACではなくバッテリー(DC)ですが、同様に低クロックで固定されてしまった事例です。
Let’s note (CF-MX4GDKCS) でCPUのクロックが上がらない問題の解決 | あしやまひろこのサイトとブログ
http://www.hirokotb.com/?p=2119
本来無効になっているはずのcTDPが何故か有効になっており、ターボブーストの有効無効と連動しているのではないか?と考察されています。
2019/08/19追記 Surfaceでの事例
Surface Pro 6などでCPUの動作クロックが400MHzに制限される不具合 | スラド ハードウェア
https://hardware.srad.jp/story/19/08/19/1431253/
こちらはACアダプタの抜き差しで回復する場合もあるそうです。
ファームウェア(UEFIか、マザーボード上の別のチップでしょうか?)のBD PROCHOTフラグの設定ミスとのこと。ThrottleStopというツールで強制的に解除できるそうですが、過熱保護等が働かなくなるのでファームウェア修正を待ちましょう。
以下は私の仮説です。
cTDPやターボブーストは、「このCPUを装着したとき、この機能は有効、この機能は無効」という情報を、BIOSの変更できない領域へ、PCメーカーが開発時に設定しておくものと思います。
原因がこの設定ミスとするなら、同じシリーズ内でも特定のCPUを搭載した機種でしか症状が出ない事になります。
この場合は同機種の同構成ならば、個体差では無く必ず症状が発現する事になりますが、私のLIFEBOOKのように関係なさそうな設定も症状に関係してくるとなると、実際に症状が出る個体はあまり多くないのかもしれません。
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