先ほど見た新製品ニュースで目を疑ったのでブログにしました。
D-Link、8本アンテナで合計5300Mbpsの通信に対応する無線LANルーター -INTERNET Watch
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20150106_682555.html
AC5300は、本体に8本のアンテナを備え、5GHz帯では2165Mbps×2、2.4GHz帯では1000Mbpsの、合計5300Mbpsの通信が可能とする最上位モデル。
との事なのですが、この2165Mbpsとか1000Mbpsという速度は日本国内メーカーの製品では該当する物がありません。
一体どのように実現しているのか、802.11の規格内なのか、少し調べる事にしました。
まず5GHz帯から。
802.11ac規格では160MHz幅・8ストリーム(ストリーム数は同時使用するアンテナと無線機の数の事)の約6.9Gbpsまで定義されているので、それより遅い2165Mbpsは規格上は実現可能であることが分かります。
1ストリームあたり800Mbpsぐらいなので、今回の製品はこれを3つ束ねた160MHz幅・3ストリームと推測されます。
この場合は規格上2340Mbpsになりますが、製品によっては高速化技術がいくつか省かれることがあり、2165Mbpsになるようです。
続いて2.4GHz帯。こちらは規格外です。
2.4GHz帯では11acのような超高速規格は登場しておらず、11nが最新最速の規格です。
IEEE 802.11n-2009 - Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/IEEE_802.11n-2009
Wikipediaにあるとおり、規格上は40MHz幅・4ストリームの600Mbpsが最高です。
しかしながら、今回の製品は2.4GHz帯の11nで1000Mbps。どういう事でしょう?
海外市場を見ると、11nで900Mbpsを謳った製品がいくつか見つかりますが、それらは2.4GHzの450Mbpsと5GHzの450Mbpsを合計して900Mbpsと言っているだけで関係無いみたいです。
調べて分かる範囲で、まず変調(電波に信号を乗せるための変換の事)方式として、11n規格で最高の64QAMではなく11ac規格で使われるのと同じ256QAMを採用しているようです。
他メーカーの製品を見てみると、2.4GHz幅・3ストリーム・256QAMで600Mbpsを謳う製品が発売されています。
バッファロー最高峰クラスの11acルーター、デュアルコアCPUで高速処理 -INTERNET Watch
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20141001_669461.html
3ストリームで600Mbpsと言うことは、1ストリームあたり200Mbpsなので、仮に11n規格上の最大4ストリームにしても800Mbpsにしかなりません。1000Mbpsにはまだ届きません…
結局よくわからない
さらに調べて見ましたが、類似する製品もないため、それらしい文献にたどり着けませんでした。仕組みをご存じの方、教えていただけると大変ありがたいです。
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